出典:(C)雁屋哲・花咲アキラ・小学館/シンエイ動画
グルメにまつわる漫画は幾多あります。テレビドラマ化されたものでは『孤高のグルメ』や『忘却のサチコ』が一躍人気を博しました。どれも元々は漫画だったもので、テレビアニメ化も切望されています。
筆者は、この『美味しんぼ』という作品にサウナなどの休憩室で出会った記憶があります。20代でも、やはりサウナで風呂上りに食堂でビールと土手焼き、そして休憩室で『美味しんぼ』というパターンはありました。
自己の成長と共に歩みを進めたこの作品、まだまだ現役で活躍してくれそうなこの作品を紹介したいと思います。
父と息子のライバル関係に注目!
主人公は新聞記者の山岡士郎、ヒロインは同僚の栗田ゆう子です。彼らが所属する東西新聞の創立100周年記念事業として「究極のメニュー」作りに挑むことになった2人の長い長い物語です。
長い旅路の中で士郎は、美食倶楽部を主宰する美食家・海原雄山という人物と出会います。この人物は日本のグルメ界を牽引する大御所なのですが、実は、士郎は雄山の実の息子だということが判明します。二人は行き当たりばったり鉢合わせするたびに、ライバル心を燃やします。
二人の間には美食探し意外にも母親の死をめぐる確執がありました。のちに士郎はゆう子と結婚することになり、外食続きの士郎のことを一番よく理解してくれる最高のお嫁さんになります。
記憶に残る人気アニメ『美味しんぼ』
テレビアニメは1988年10月17日 ~ 1992年3月17日まで実に136話に及ぶ放送が行われましたが、現在は実写ドラマに需要を奪われている状態です。
テレビアニメ化されるメリットの一つに、人や食べ物の温度が伝わりやすいことがあると思います。漫画よりも現場の暖かさが豊かに表現されています。
共鳴するファンと期待に応える原作者
漫画100巻前後に士郎の日本一周や父親の雄山との和解などが描かれており、読者の期待に応える形になっています。連載30周年の際には読売新聞と朝日新聞がグルメ対決するなど、士郎のルーツであり、天職でもある新聞記者という職業は、現実の新聞社の関係者にとっても思い出深いものがあったようです。
更に読者層とのつながりを映し出すアイテムとして、『美味しんぼの料理本』や『美味しんぼの店』といった本も出版されています。一般人の普段の生活に素直に溶け込む質の高いプロジェクトです。
実写化について
山岡が唐沢寿明さん、栗田が石田ゆりこさんで、実写ドラマ化されています。TOKIOの松岡さんもテレビドラマで主役を演じました。さらに、映画版の実写では佐藤浩一さんが主演を務めました。
これだけ豪華な俳優陣を動かすことができたのは、この『美味しんぼ』という作品が十分にメジャーでファミリー層に認知され、人気を得ているからでしょう。
文章:Shinichiro.S