出典:©謙虚なサークル・講談社/「第七王子」製作委員会
決闘において、火炎魔術攻撃を受けた魔術師。
熱い?いや、むしろ彼は悦びを覚えていた。大好きな魔術で死ねるのだから。
そして第七王子ロイド・ディ・サルームとして転生し、生まれた瞬間に城の一部を吹っ飛ばす!
魔術に対する異常な愛情と底知れぬ探求心に、家柄と才能が備わってしまったのだ。
先々で魔術の天才ロイドを迎え撃ち、敗北する魔人たち。彼らも死後、勝ち組転生を得られたのだろうか?
体の一部になりたい魔人
かつて王国を滅亡寸前に追いやった魔人グリモを復活させ、ボコボコにして、手下・・・いや、右手にしたロイド。
この魔人グリモを体内に取り込むことによって、ふたつの詠唱魔術を同時に発動させることができるのだ。
なぜグリモは協力的なのか?
それはロイドの体をいつか乗っ取れると信じている、懲りない魔人だから。
獣の中で温まりたい魔人
パズズは、魔獣ベアウルフの中に入り込み、操って戦う魔人。
獣臭くないのだろうか?匂いがわからないのだろうか?鼻がおかしいのだろうか?
ロイドと共闘するお付きメイドのシルファと、冒険者タオの捕縛に成功した。だが、かなりの美貌の持ち主である彼女たちを前にしても、魔獣の中から出ようとしない!
きっとそこが、温かく思い入れのある場所なのでしょう。
メイドのシルファによってベアウルフから叩きだされた後、ロイドの魔術結界の中で焦げるまで温められ、灰となって散る。
少年の中に飛び込みたい魔人
ギザルムはロードスト領家の三男のジェイドの体を乗っ取った魔人である。
それはジェイドの瞬間移動能力が目当て。
さらにジェイドを訪ねてきたロイドを、次なるターゲットにする。
あなたのハートにテレポート!とばかりにロイドの元に飛び込もうとするが、分身の術や回避術によってかわされ、最後はロイドの追尾攻撃によって捕らえられ、魔術結界の狭間で潰される。
戦いに敗れて散った魔人たちはその後、幸せな転生を迎えられたのだろうか?
それはNO!
何が違うのか?
ロイドの前世者は、最期は笑って死んでいった。
そう、パズズも最期を迎えた際に気づいたように、戦いを楽しみ、笑って終わりを迎えることこそが、勝ち組転生へのキーワードとみた。
一番の安全地帯であるロイドの体の一部であるうちは、死ぬことすらできないグリモは、はたして?
文章:ヒトツメロバ