出典:©ソウマトウ/集英社・シャドーハウス製作委員会
村を一望できる断崖にそびえ立つ洋館。
そこは黒きものが暗躍する屋敷・・・
いや、ゴキブリハウスという意味ではなく、ススの妖精シャドーに乗っ取られた領主家なのだ。
村から選ばれた人間の子供たちはそこで「生き人形」と呼ばれ、シャドーに仕えながら洗脳を受け、やがて「大人」となることを目指す。
「大人になる」とは、シャドーの入れ物になることを意味する。
シャドーに体を乗っ取られるのだ。
だが、シャドーと長く過ごすうちに心を通わせるようになり、それに抗おうとする反乱分子も現れる。
洗脳コーヒーを拒否!
「喜びの会」で振舞われる「コーヒー」なるもの。
それは「週に1度」「大人たちの棟から運ばれてくる」「ごく少量」「ひどく苦い」もの。
ちょ、待てよ!!
それは子供に飲ませていいのか?
大人の女性が飲むものじゃないのか?
ああ、飲めたら大人ってことか!
何言ってんだ俺!?
コーヒーを飲むと、グルグル目になって、言動がおかしくなる。
要するに自分の考え、主体性を保てなくなるのだ。
エミリコとショーンは飲んだ振りして、衣服にしみ込ませる。
こびりつきを操る
シャドーの体内から出たススは放置しておくとやがて、小動物のような物体「こびりつき」になる。
こびりつきは顔を欲する習性があるため、生き人形を襲う。
そして体内へと侵入してゾンビ化させる。
だが、マリーローズのこびりつきを操る能力によって、合体して「亡霊」にもなるのだ。
だが、水をかければ簡単に倒されるのだ。
あと、掃除機にも弱いのだ。
上を目指す
出世してみんなを扇動する。
仲間を集めるのだ。
とりあえず、こどもたちの教育係「星付き」を目指す。
星付きになるには?
そこはやっぱり大人の裁量なのかもしれない。
いつか強制される、シャドーと生き人形の一体化。
ケイトとエミリコ、マリーローズとローズマリー、クリストファーとアンソニー。
みんな反乱分子として活動する者たち。
大人たちにとって、それはそれでいいのかもしれない。
反乱分子として連携することで、お互い深く通じるようになり、一体化した時に立派な「大人」になってくれさえすればいいのだ。
そう、一体化・・・フュージョンして、それぞれケミリコ、マリーマリー、くそニー、と呼べる日を楽しみにしているのかもしれない。
所詮こども・・・どうあがこうと、悪い「大人」にいろいろ弄ばれる運命なのかもしれない。
文章:ヒトツメロバ