出典:©Magica Quartet/Aniplex・Madoka Partners・MBS
マミの死により魔法少女にも、まどかたちにも動揺が見られる中、魔法少女であることのリスクが次々に判明していきます。あまりにも理屈的でゲームのような設定は、物語全体のファンタジー感をいい意味で裏切ります。まどか達の運命の行方に注目です。
ほむらの動向に注目!
現代の魔法系物語にありがちな「等価交換」の法則が、今作でもようやく明らかになってきます。注目すべきは「ソウルジェム」という魂の化身です。
さやかと杏子の闘争時にまどかが誤まってさやかのソウルジェムを道路に投げてしまいました。そのことで一時危篤状態にまで陥るさやかを助けたのはほむらでした。
冷静なのか冷淡なのかわからないキュウべえという存在と、タイムリープを繰り返し、この世界の何らかの謎を知っているようなほむら、この1匹と一人の対立構造も興味深く、今後のストーリーに影響を与えそうです。
魔法少女は多大なリスクを背負う立場
最終兵器とも捉えることのできる『まどか』という存在を6話(折り返し地点)でも尚、魔法少女の契約をしない展開は予想外であり、契約を迫るキュウべえとの因縁が感じ取られます。
作風として似ていると感じたのは、アメリカのマーベル作品(実写)『Dr.ストレンジ』です。この作品もまた、「人の死、その苦しみ」を力の源にした闇の支配者による世界の変革に、主人公の魔術師が対抗するといったものでした。
その闇の力により魔術師の魔法が成り立っているという点でも酷似しています。但し、『魔法少女まどか☆マギカ』には絶対悪がありません。その代わりに「キュウべえ」という宇宙の使者の存在が重要なのです。
良い意味でのリアリズムに長けた物語
ストーリー展開としては、良い意味で裏切りがあり、魔法というものを単純化しないところが深夜アニメならではだと思います。神格化と魔術は全く違うものだというのはよくある設定でしょう。
しかし、この物語を観ていると、神格化された対象がこの世の理屈に堕落したものが魔法なのではないかと思わせる一面もあります。最終的にまどかに味方するのはこの世の理屈かそれとも神なのか、という話です。
そういった意味でも、この1話は、ソウルジェムやグリーフシールドの説明があるなど、ストーリーのターニングポイントとなる1話です。ぜひ注目してほしい、怒涛の30分間です。
文章:Shinichiro.S