出典:© 1984 Studio Ghibli・H
元々は1982年から全59話(7巻)の漫画が発売されていた『風の谷のナウシカ』は完全なオリジナルストーリーです。1979年に宮崎駿氏が監督した「カリオストロの城」についての興行的失敗から再起を図るために、現・ジブリメンバーが新たな映画のためにオリジナルの原作漫画を発行したという逸話があります。
『風の谷のナウシカ』あらすじ
巨神兵オーマによる「火の7日間」という最終戦争から1000年が経ち、世界は「腐海の森」に包まれていました。伝説の剣士ユパは旅を続け風の谷に帰って来る前に蟲に襲われます。そこに居合わせたのがナウシカです。
風の谷の王女ナウシカは蟲と会話することができます。更に秘密の部屋で小さなガーデニングをしていました。それは腐海の森の腐敗する原因が「水」であり、空気や大地ではないということの証明でした。ナウシカの生き様はやがて、風の谷の伝説になろうとしていました。
『クシャナの立場に注目』
アニメ映画『風の谷のナウシカ』で、蟲も腐海の臭気も恨まないナウシカが唯一逆上したシーンがあります。トルメキア軍の侵略により「ジル(ナウシカの父)」が殺された場面です。ナウシカはひどく激昂し、トルメキア軍の兵士を5人も殺してしまいます。
のちの『もののけ姫』に影響を与えたであろう軍を背負った(正統な王家の血をひくトルメキア王妃)クシャナの立場にも注目です。クシャナとナウシカは国を背負った王女という点では一致していますが、持っている価値観が違いすぎました。
「火の七日間」からの復興を地道に続けてきた風の谷に対してトルメキア軍の横暴、そしてペジテの陰謀が、風の谷に集中砲火を浴びせます。そしてナウシカの前に王蟲の大群と巨神兵が立ちはだかり――。
文章:Shinichiro.S