出典:©2020 杉谷庄吾【人間プラモ】/KADOKAWA/ 映画大好きポンポさん製作委員会
映画の都「ニャリウッド」に映画会社ペーターゼンフィルムがある。
そこで、敏腕プロデューサーのジョエル・ダヴィドヴィッチ・ポンポネット、通称ポンポさんのアシスタントとして働くジーン・フィニは、映画宣伝CMの出来が認められ、次回作「MEISTER」の映画監督に抜擢された
「2時間、3時間の長編ものは疲れる。私が感動する90分の作品を作れ!」というポンポさんの期待に応えられるか?
念願の初メガホンをとったものの、ジーンは葛藤し、抵抗し、しまいには難癖付けて逃げようとする。
わがまま撮影
「どうしても必要なシーンなんだ!」
順調に撮影スケジュールをこなして一旦クランクアップしたものの、後からイメージが湧き、どうしても撮り直しがしたくなったというジーン。
そのシーンがないと、いい映画にならないともいう。
ポンポさんはその要求に応えて、脚本の手直しとスタッフを再結集する。
わがまま編集
感動を伝えたいとか、女優をキレイに撮りたいとか色々こだわって撮影した70時間以上のフィルム・・・
あのシーンもこのシーンも90分の中に残したいものだらけ。
いろいろ無理を聞いてもらった以上、今さら逃げられない。
試行錯誤の中、刻限が迫り、いよいよ追い込まれた結果・・・
「70時間もの膨大なフィルムを90分にまとめるとか、無理だ!」
ついに壊れたジーンは、感動シーンもお気に入りのシーンもガンガン切り捨てる。
わがまま受け答え
でたらめに切りまくって出来上がった作品はなぜか評価され、賞をとった。
お気に入りのシーンを訊かれたものの、ストーリーなど覚えているはずもなく・・・というより、どういう作品になったのか、怖くて見ていない。
「制作者は自分の映画の内容には感動しない」
今さらながら、ポンポさんの言葉の意味を知ったジーンであった。
そして、ようやくジーンの口から出た言葉は、
「90分に編集できたとこですかね・・・」
何かと無理難題、理由を付けては逃げようとする監督。
プロデューサーはそんな監督の「こだわり、わがまま、開き直り」をすべて受け入れ逃げ道を塞ぐ。
プロデューサーのお仕事は、監督を追い込んでなんぼ・・・なのですね。
文章:ヒトツメロバ