出典:©寺嶋裕二・講談社/「ダイヤのA」製作委員会・テレビ東京
2013年にテレビアニメが放送されてから、予想以上の反響により2019年まで放送が続いた人気作です。一応2019年で一度完結し、2020年に改めて「ダイヤのA actⅡ」として放送が決まっています。
アニメーション制作はMADHOUSEとProduction I.Gというハイパフォーマンスなプロダクションが名を連ねました。これにより、野球好き、サブカル好き、アニメーション好きの3方から需要を集めることになりました。
ひたすらスポーツ×青春
舞台は長野から東京へ、主人公は中学生の沢村 栄純(さわむら えいじゅん)という野球少年です。廃校になった母校(赤城中学長野県)の名を残すため栄純は中学制覇を目指し、野球に邁進します。その夢を無惨にも絶ってしまったのは栄純自身の暴投(エラー)でした。しかし、東京の青道高校のスカウト・高島礼はその才能を見抜き、栄純は青道高校で全国制覇を目指すことになったのです。
同じチームにライバル出現!!
この物語は「一期一会」というテーマがピッタリ似合う人情味あふれるアニメです。一人、また一人と新たな才能に出会うたびに、主人公の栄純は成長していきます。
そんな中でもとりわけ印象に残るのが、降谷 暁(ふるや さとる)というチームメイトです。彼は150㎞のストレートを武器に、強打者を次々に抑え、バッティングでもたびたびバックスクリーンにホームランを打ち込むなど、所謂「二刀流」の選手です。因みに暁も、北海道の苫小牧から上京してきた身なので、あらゆる意味で栄純と重なる点があります。
レベルの高い仲間と共に目指す頂点とは‥
栄純にはもう一人かけがえのない出会いがありました。一つ先輩の御幸 一也(みゆき かずや)という人物です。彼は全国的に名の知れている天才的な捕手(キャッチャー)で、青道高校の大黒柱です。
高校野球部に入りたての頃は2軍だった主人公の栄純がその先どう成長していくのか?御幸が栄純を認める日は来るのか?150㎞を叩き出す暁に比べて高校生活を通して135㎞しかでない栄純の生き残りをかけた戦いが始まろうとしています。
才能VS心
栄純には突出した才能というものがありません。それでもサウスポーの利点を生かしてなんとか打者を抑えようとする姿を見ると、思わず応援している自分がいます。その他にも希な特徴としてバントが異常に上手いといった特徴を持ち合わせています。
主人公の栄純にはピッチャーという職人柄、当然のことですが、常にプレッシャーと隣り合わせという宿命があります。才能に打ち勝つための手段は常に努力から生まれます。礼をつくして戦うことの美しさを思い知らされる物語です。
まとめ
栄純は高校2年生で甲子園のマウンドに立ちます。栄純は、エリート集団の中で主軸となって活動することの意味の大きさに気づきます。そして乗り越えます。今まで見てきた野球アニメ(特にあだち充作品)は、天才的な才能を持ち合わせている主人公が更なる高みを見るために汗と涙で顔を濡らし、ついには頂点に立つ、といった物語が多かったと思います。しかし今作では努力に伴う、ざわめくような心の揺らぎ、感動が克明に描かれています。
セカンドシーズンからでも見る価値のある作品だと思います。
文章:Shinichiro.S