出典:©古流望・TOブックス/おかしな転生製作委員会
日本人菓子職人が、世界一になる寸前で死んだ。
パティシエ世界大会決勝で、完成させたばかりの巨大な飴細工が倒れ、下敷きになったのだ。
そして、貧乏領主の息子ペイストリー=ミル=モルテールン(ペイス)として転生した。
ここでの目標は、
「この世界で世界一のお菓子を作り、お菓子の国を作る」
そんな彼が授かった能力は「転写」!?
これがまた凄すぎる能力なのだ。
ダメージ転写
この能力を使って、チート剣士の誕生である。
例え、むやみに突っ込んで斬られようとも、ダメージを相手に転写すればいいのだ。
その場に大火傷を負って、瀕死の兵士が一人いれば、そのダメージを敵全員に転写してあっさりと勝利する。
結果、父カセロールのテレポート能力も合わさって、戦場では「バケモノ」と恐れられている。
姿形の転写
その姿形を紙やハンカチに転写する。本来は、それをお見合写真にして稼ぐ。
適齢期はとうに過ぎたご様子の独身女性レーテシュ卿は盗賊被害の賠償交渉の件以来、ペイスを高く買っている。
ペイスとリコリスとの婚約発表する前にNTRしてしまえ・・・と、リコリスの目の前で、ペイスを背後から抱きしめる。
だが、ペイスによって、その様子を転写した包み紙の飴を、贈答品として他の貴族にバラまかれてしまった。
ショタコンをこじらせて、独身を通していると多方面に思われた結果・・・
8歳、9歳男児のお見合写真がレーテシュ卿の前に山積みになる。
能力を転写
盗賊団の頭・ストルーデルはいろいろ間違えている。
ストルーデルは「掘削」能力者。
貴族令嬢の誘拐拉致に失敗し、追い詰められると、足下に大穴を開けて隠れる。
だが、この能力を転写したペイスは、貯水池造りに活用する。
他にもトンネル掘りや山の切り崩し、街の整備にも重宝されるであろう。
ストルーデルは、犯罪者などに身を落とさずとも、建設で大儲けできるのではないか?
ペイスとの、この差はなんだろう?
転写能力のおかげで、一目置かれる存在となったペイス。その力の差を感じて落ち込む人々。
そんな人たちのために今度は、お菓子を作って慰め、さらに賞賛を得る。
これは「マッチポンプ」と言うべきか?
文章:ヒトツメロバ